新春のお慶びを申し上げますとともに、旧年中は皆様から賜りましたご支援に深く感謝申し上げます。皆様の益々のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
昨年は、COVID-19の感染拡大防止や経済活動の強化が進み、目まぐるしい変化の年でした。また、欧米を中心にサプライチェーンの不安定化や急激なインフレが発生し、金融引き締めに伴う利上げで急激な円安が進行しました。出版・商業印刷分野では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の影響により世界的に印刷物の減少が続いていますが、高付加価値印刷やパッケージ印刷の需要は着実に拡大しています。また、印刷業界では、材料費、物流費、人件費などの高騰により、資材調達難の影響を受けています。このような状況の中、生産性の向上が求められています。
昨年11月に開催された日本最大の印刷機材展「IGAS2022」では、KOMORIのコンセプトである「Connected Automation」により、工程全体をデジタルでつなぐことで生産効率を上げ、コストを見える化し、お客様の利益を向上させるソリューションをご紹介しました。数年ぶりの本格的なイベントであったことも相まって、KOMORIブースは大盛況のうちに終了しました。また、変化の激しい社会環境の中で、小森グラフィックテクノロジセンターのオープンハウスイベントを開催し、課題解決に向けた提案を行ってきました。また、アジア地域向けにオンラインイベントを配信し、常に最新の情報をお客様にお伝えしてまいりました。
オフセット印刷機では、国内外で高い評価を得ているリスロンGX/Gアドバンスシリーズのラインアップを強 化し、お客様のニーズに最適な印刷機を提供できる体制を整えました。今後の販売強化に向けては、市場が堅調に推移しているパッケージ印刷向けモデルや、アジア地域特有のニーズに対応した戦略的モデルへの取り組みを行っていきます。Connected Automation の中核システムである KP-Connect Pro は、印刷工場をスマー トファクトリー化する上で極めて重要なシステムです。現在、このモデルを海外に展開し、世界中のお客様のさらなる生産性向上に貢献していきます。
DPS事業では、昨年9月に東京カメラクラブ様と共同で、最新のデジタル印刷機「Impremia NS40」を用いて、300PPIの高解像度を維持しながら、1億画素のカラフルな風景を印刷することに成功しました。多くの来場者から高い評価をいただき、今後期待される新たなアート分野での一定の可能性を感じることができました。
証券印刷分野では、COVID-19 の影響で遅れていた入札や納入が再開され、銀行券印刷の需要が好調に推移 しました。また、各国で設備の更新や工場新設のプロジェクトが進行しており、工場を24時間稼働させるための設備 の予防保全の需要も高まっています。
PE(Printed Electronics)事業では、「COVID-19」や大容量・高速通信技術の導入によりDXが進み、パッケージ回路基板の需要が急拡大しています。また、工場の自動化が求められる今日、印刷機とプリプレス機、ポストプレス機を組み合わせた全自動化ラインにも注力しています。当社は、時代のニーズに合った生産設備を提供することで、今後の半導体関連事業の発展に貢献してまいります。
小森は今年で創業100周年を迎えます。これからも「期待を超える」企業を目指し、公的機関としての責任を果たしながら、さまざまな製品やソリューションの提供を通じて、お客さまと社会の発展に貢献してまいります。本年も変わらぬご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。